竣工 ー 2015年1月
住所 ー 東京都杉並区
構造 ー RC造
延床 ー
用途 ー 住宅
【使い古した昔ながらの間取りの空き部屋を、広々とした快適空間に改修】
家族構成やライフスタイルの変化で使わなくなってしまった空き部屋はありませんか?貸したいけれども、昔ながらの間取りで人気がない、借り手がつかない、そんな部屋はありませんか?
間取りも、雰囲気も、建物の構造さえしっかりと把握できていれば自由にリフォームができます。空き部屋となり長年放置されていた部屋が、広々とした快適な生活空間に甦る事例を紹介します。
空き部屋だった時(上図Before)は、和室や浴室や台所が1つ1つ区切られた昔ながらの居住空間でした。1つ1つの部屋が狭く、壁が凹凸し、それぞれの居室間には段差もありました。設備も「和式トイレ」や「タイル仕上の半畳のお風呂」でした。今のライフスタイルにはそぐわず、どうすることもできずに部屋は放置されていました。
この部屋の機能をできる限りシンプルにまとめ、広々とした快適空間(上図After)にリフォームをします。
改修前の部屋の様子は、畳や壁紙が経年変化で変色し、設備機器にはサビがつき、建具の立て付けは悪く、いかにも空き部屋という状態です。
トイレも昔ながらの和式で、お風呂も冷たいタイル。機能は揃っていても、使いにくい仕様であるため好まれません。
リフォームは、建物の構造や配管さえ把握できていれば、水回り(トイレやお風呂)の配置を変えたり、お部屋の構成を変えたり、自由に変更することが出来ます。
畳や壁や床を撤去し、お風呂やトイレの壁も取り払って「空っぽ(スケルトン)」の状態にします。そして配管や電気の配線等をチェックし、これから先も長く使える無理のないリフォームを計画します。
今回のリフォームでは、バラバラに分かれていた水回り(お風呂・トイレ・洗濯洗面室)を1つのシンプルな部屋(箱)に収め、その部屋を自然の樹木で作った「小屋」としてまとめていあmす。
部屋の中に「小屋」のある、新しい住空間です。構造的にとることのできなかった「構造壁」も木で覆い、部屋の素材を統一しています。
必要な時は模型での検証も行います。リフォーム後の姿というものは、なかなか想像ができません。このような模型をみると、手に取るように完成後の姿が分かります。
木の小屋と、木の壁。2つの要素が広々とした快適な空間にナチュラルなアクセントを生みだします。この木で仕上げられた壁は、画鋲をさしたり、くぎを打ったり、穴があくことを気にせず自由気ままに楽しめる壁になります。
今のライフスタイルに合わせてキッチンにはコンパクトなIH設置し、冷蔵庫のスペースなどもしっかり確保します。木の素材に挟まれた懐のようなスペースに、キッチンがスッキリ納まっています。木の壁にレシピを貼付けたり、棚を作ったり、まだまだキッチン周りはアレンジを楽しめます。
リフォーム前には隣にトイレやお風呂の扉があり狭苦しい雑多な空間でしたが、キッチン空間に落ち着きが生まれました。
ひんやり冷たく、目地にカビのつきやすい昔ながらのタイルは一掃し、真っ白なホテルのような水回り空間が生まれました。わずかな光でも明るい空間です。限られたスペースを有効に活用し、お風呂、洗面、シャワー、トイレ、洗濯機、全てをこの「小屋」の中に納めています。
コンパクトながらも、快適で、楽しく、オリジナリティのある空間になりました。
木の小屋(水回りスペース)の上には「窓(トップライト)」がついています。
どんな空間も、アイデア次第で自由に生まれ変わります。家や部屋は大切な資源です。需要や、今の自分のライフサイクルをしっかりと把握し、最大限に活かさなくては惜しいものです。
生活をより豊かにするため、生活をもっと楽しむため、大切な資源を未来に向けて循環させるために、ぜひ建築舎四季にご相談下さい。
(撮影:鳥村鋼一写真事務所)